肝臓内科とは?

肝臓専門医という言葉は聞きなれないかもしれません。腹部の臓器を専門とする医師の中でも肝臓専門医はその専門性の高さゆえ、少数しか存在しません。紀の川市でも肝臓専門医は当院の理事長を含めて5人のみです。ちなみに紀の川市の人口は約6万人(2022年)です。さらに肝臓専門医には内科医・外科医・小児科医と背景の異なる医師が存在します。 肝臓の疾患を抱えている患者さんや肝機能異常を指摘されている方の数に対して内科系の肝臓専門医の数が圧倒的に少ないことは明白です。 実は治療が必要な肝臓疾患が「原因不明の肝機能異常」として治療されずに埋もれている現状にも納得できます。

以下にあてはまる方は肝臓専門医への受診をお勧めします

  • 健康診断等で肝臓機能が悪いと指摘された方
  • GOT(AST)上昇を指摘されている方
  • GPT(ALT)上昇を指摘されている方
  • γ-GPT(γGT)上昇を指摘されている方
  • 脂肪肝に加えてGPT(ALT)上昇を指摘されているが、 肝臓専門医の診断を受けていない方
  • 「肝機能異常」をかかりつけの内科の先生に診てもらっているが原因をはっきり特定されていない方
  • 肝機能異常を指摘されているが 腹部エコー、腹部CTなどの画像検査を受けていない方
  • 飲酒する頻度が多い方
  • 急に肌や白目(眼球結膜)が黄色くなってきた方
  • ビリルビンの高値を指摘された方
  • 肝炎、肝硬変や肝臓がんなど肝臓病の家族歴がある方

肝臓の機能について

肝臓の機能低下は「静か」に忍び寄ります
肝臓の主な機能は多岐にわたりますが、主に以下のような機能があげられます。

  • アルコールなどの体にとって毒となる物質を無毒化する解毒機能
  • 食べ物をエネルギーに変える代謝機能
  • エネルギー源の貯蓄機能
  • 消化酵素である胆汁の生成などの消化機能

肝臓は生体活動を維持するうえで必要不可欠な臓器です。その重要性から肝臓は予備能力が非常に高く設計されています。検診でのAST・ALT(GOT・GPT)の異常を「肝機能低下」とも表現しますが(しばしば医療者も)、これは明らかな間違いです。その十分な余力に支えられて、実際には肝臓の機能はなかなか低下しません。肝臓の機能が本当に低下したときには「肝硬変症」となっていることがほとんどです。
「命の危険がある肝硬変」まで静かに、症状なく、知らないうちに進行するところに肝臓病の怖さがあるのです。その病気の進行に、一般的な内科の先生も気が付かないことがあるほどです。肝臓が「沈黙の臓器」と表現されるゆえんです。自覚症状が出たときに初めて肝臓専門医にかかっても遅いのです。

肝臓の機能異常(肝機能異常)で可能性のある疾患

  • 脂肪肝/脂肪肝炎(NAFLD/NASH)
  • アルコール性慢性肝炎/アルコール性急性肝炎
  • 薬剤性肝障害
  • 原発性胆汁性胆管炎(PBC)
  • B型肝炎
  • C型肝炎
  • 自己免疫性肝炎(AIH)
  • 肝硬変症
  • HIV感染(エイズ)
  • 寄生虫感染症
  • ウィルソン病
  • 肝細胞癌(肝がん)
  • 胆管細胞癌(肝内胆管がん)

上記以外にも肝臓の疾患は多数存在します。

肝臓専門医にご相談ください

「肝機能障害」と言われた方に全く別の病気が見つかることも珍しくありません。甲状腺機能異常(甲状腺機能低下症・甲状腺機能亢進症)や心疾患(右心不全)、多発性筋炎などは必ず念頭に置くべき病気です。

奥クリニックの理事長 奥久徳は肝臓専門医です。
健診での「肝機能異常」は専門医による正確な診断から治療のすべては始まります。
肝臓のことについて気になることがあれば、ぜひ一度来院頂きご相談下さい。

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0736-77-7800